NHK大河ドラマ『八重の桜』第18回「尚之助との旅」 :夕日から夜へ。それから朝。 [映画・ドラマ]
2011年に結婚して、2年になる。
結婚式の準備だの引っ越しだので、いろいろ大変だった時期はとっくの昔に過ぎ去って、いまはちょっと落ち着いている時期。
仕事が終わって家に帰ってからは、二人でドラマなんかを見て過ごすのが日課になってるんだけど、この春やっているドラマで二人で見てるのは、NHKの大河ドラマ『八重の桜』。
先週の『八重の桜』を見逃したので土曜日の再放送をHDDに取って一人で見てみたら、これが結構すごかったので書いてみた。
第18回「尚之助との旅」。
*
冒頭で、前回までの展開が紹介される。
二回目の長州征伐が失敗に終わり、徳川幕府と薩長の対立が鮮明になってくる、そんな頃。
話としては、京都の情勢を聞いて会津の防衛に不安を抱いた八重が夫の尚之助とともに国境を見て回っていくっていう話。その一方、京都での動きも挿入されて、大政奉還へと至る流れも描かれてる。
第二次長州征伐と鳥羽伏見の戦いの間の「つなぎ」のようにも見える回なんだけど、これが本当にものすごくて。
この回のクライマックスは、2つある。
1つは、八重と尚之助が会津若松城下に帰ってきてからのシーン。
国境の様子を見てきた尚之助は、ご家老たちに「銃を作る製鉄炉を作るべき」と進言するも、「金がない」として退けられる。(会津藩は、京都守護職のため財政が逼迫し始めている。)
そのあとの、長谷川博己さん演じる尚之助と綾瀬はるかさん演じる八重の会話。
家の角場(銃の置き場)で、口を結び、夕日を浴びながら黙々と銃の手入れをしている二人のシーン。
そしてまた、夕焼けを浴びながら銃の手入れをする二人。
静かに冗談を言い合って、目があって少し笑ったり。
八重と尚之助が浴びる柔らかな夕日が、このあとの時代の流れと、現在の会津と幕府の置かれている状況に重なり合って、本当に綺麗なシーンになっていた。
*
もう1つの山場は、その八重と尚之助の角場のシーンのあと。
京都での動きとして、小堺一機さん演じる岩倉具視が、徳重聡さん演じる大久保一蔵(のち利通)が夜の岩倉邸で密談をするシーン。燭台の灯りの中、岩倉具視から渡された書類を大久保が読む。
いわゆる『討幕の密勅』。岩倉具視が偽造して、薩摩・長州に下した勅命。
討幕の最深部である偽勅のシーンが、夕焼けの中の八重と尚之助の会話のあとに、洛外の岩倉邸での夜の密談として描かれる。
物語の組み立てが、前半の晴れ晴れとした旅のシーンから、後半の八重たち夫婦の夕暮れの中の会話、そして岩倉具視・大久保利通の夜の密談と繋がっていくように作られている。
まるで物語が進むにつれて日がだんだんと傾いていくような、そんな組み立てになっていて、すごく面白い。
この回の最後は、小泉孝太郎さん演じる徳川慶喜が、二条城の中で綾野剛さん演じる会津藩主・松平容保に、喘ぐようにして「大政奉還」の決意を話して、物語は終わる。
一応物語は一つ進んで、でもまだ緊張が解けたわけではない。
まるで交響曲の一つの楽章が終わって、形式的には音楽のおさまりはついたけど、まだ和音が完全に解決していない、みたいな。
*
たぶん、今年の大河ドラマ『八重の桜』は、映画「風とともに去りぬ」を意識して作られてる。(確か、第1回の冒頭は、アメリカの南北戦争から始まっていた。)
南北戦争を生き抜き、荒廃した南部で必死に生きていく主人公の女性、スカーレット・オハラ。
一方、同じ時代に会津戦争を戦い、維新後の日本で教育に人生を捧げる女性、新島八重。
(そういえば、『風とともに去りぬ』も、もの凄く綺麗な夕焼けのシーンが何度も出てくる。)
夕日のあとって、夜が来て、そのあと朝が来るんだよね。
次の話もすごく楽しみ。
結婚式の準備だの引っ越しだので、いろいろ大変だった時期はとっくの昔に過ぎ去って、いまはちょっと落ち着いている時期。
仕事が終わって家に帰ってからは、二人でドラマなんかを見て過ごすのが日課になってるんだけど、この春やっているドラマで二人で見てるのは、NHKの大河ドラマ『八重の桜』。
先週の『八重の桜』を見逃したので土曜日の再放送をHDDに取って一人で見てみたら、これが結構すごかったので書いてみた。
第18回「尚之助との旅」。
冒頭で、前回までの展開が紹介される。
二回目の長州征伐が失敗に終わり、徳川幕府と薩長の対立が鮮明になってくる、そんな頃。
話としては、京都の情勢を聞いて会津の防衛に不安を抱いた八重が夫の尚之助とともに国境を見て回っていくっていう話。その一方、京都での動きも挿入されて、大政奉還へと至る流れも描かれてる。
第二次長州征伐と鳥羽伏見の戦いの間の「つなぎ」のようにも見える回なんだけど、これが本当にものすごくて。
この回のクライマックスは、2つある。
1つは、八重と尚之助が会津若松城下に帰ってきてからのシーン。
国境の様子を見てきた尚之助は、ご家老たちに「銃を作る製鉄炉を作るべき」と進言するも、「金がない」として退けられる。(会津藩は、京都守護職のため財政が逼迫し始めている。)
そのあとの、長谷川博己さん演じる尚之助と綾瀬はるかさん演じる八重の会話。
家の角場(銃の置き場)で、口を結び、夕日を浴びながら黙々と銃の手入れをしている二人のシーン。
尚之助「八重さん。」
八重「はい。」
尚之助「次は、日光口と越後口をまわりましょう。」
八重「え?」
尚之助「一つだめなら、また別の手を打つまでです。金がなくても、できることはあるはずだ。」
そしてまた、夕焼けを浴びながら銃の手入れをする二人。
静かに冗談を言い合って、目があって少し笑ったり。
八重と尚之助が浴びる柔らかな夕日が、このあとの時代の流れと、現在の会津と幕府の置かれている状況に重なり合って、本当に綺麗なシーンになっていた。
もう1つの山場は、その八重と尚之助の角場のシーンのあと。
京都での動きとして、小堺一機さん演じる岩倉具視が、徳重聡さん演じる大久保一蔵(のち利通)が夜の岩倉邸で密談をするシーン。燭台の灯りの中、岩倉具視から渡された書類を大久保が読む。
岩倉「近いうち、薩摩と長州に、この勅が下りる。」
大久保「(渡された勅を読む)『賊臣慶喜を殄戮(てんりく)し、以て速やかに回天の偉勲を奏し・・・』こいは?」
岩倉「慶喜を殺せ、との詔書や。・・これくらい激しく煽らんと、誰も本気でやらんやろ。」
大久保「・・・(目を細め、勅を凝視する)」
岩倉「守護職・松平容保と、所司代を討つ詔書も、おんなじときに出る。」
いわゆる『討幕の密勅』。岩倉具視が偽造して、薩摩・長州に下した勅命。
討幕の最深部である偽勅のシーンが、夕焼けの中の八重と尚之助の会話のあとに、洛外の岩倉邸での夜の密談として描かれる。
物語の組み立てが、前半の晴れ晴れとした旅のシーンから、後半の八重たち夫婦の夕暮れの中の会話、そして岩倉具視・大久保利通の夜の密談と繋がっていくように作られている。
まるで物語が進むにつれて日がだんだんと傾いていくような、そんな組み立てになっていて、すごく面白い。
この回の最後は、小泉孝太郎さん演じる徳川慶喜が、二条城の中で綾野剛さん演じる会津藩主・松平容保に、喘ぐようにして「大政奉還」の決意を話して、物語は終わる。
一応物語は一つ進んで、でもまだ緊張が解けたわけではない。
まるで交響曲の一つの楽章が終わって、形式的には音楽のおさまりはついたけど、まだ和音が完全に解決していない、みたいな。
たぶん、今年の大河ドラマ『八重の桜』は、映画「風とともに去りぬ」を意識して作られてる。(確か、第1回の冒頭は、アメリカの南北戦争から始まっていた。)
南北戦争を生き抜き、荒廃した南部で必死に生きていく主人公の女性、スカーレット・オハラ。
一方、同じ時代に会津戦争を戦い、維新後の日本で教育に人生を捧げる女性、新島八重。
(そういえば、『風とともに去りぬ』も、もの凄く綺麗な夕焼けのシーンが何度も出てくる。)
夕日のあとって、夜が来て、そのあと朝が来るんだよね。
次の話もすごく楽しみ。
2013-05-18 05:07
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